TouchCore Blog | 【3回連載】ITは「ただの省力化ツール」じゃない。経営戦略を現場で動かす“道具”にするには?:第1回「ITは“機械化ツール”だと思っていませんか?」
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【3回連載】ITは「ただの省力化ツール」じゃない。経営戦略を現場で動かす“道具”にするには?:第1回「ITは“機械化ツール”だと思っていませんか?」

本当の価値に気づくために必要な視点
私たちはつい、「IT=便利にする道具」と捉えがちです。
エクセルをシステムに変えるとか、紙をクラウドに載せるとか。確かに便利になりますし、省力化にもなります。でも、もしそれだけなら、ITの本当の力は封印されたままです。
なぜなら、ITは単に手間を減らすものではなく、経営戦略を実行するための「仕組み」を作る道具だからです。


「今の業務をそのままシステム化」は落とし穴
よくある話です。
ある企業が「業務効率化のためにシステムを導入したい」と言います。でも、要件定義に入ると出てくるのはこうです。
「今の仕事をそのままシステムにしてほしい」
これ、実は非常に危険な発想です。
ムダな作業や時代遅れなルールまで「そのまま」デジタル化してしまうからです。結果として、IT投資をしたのに現場の不満が増えるという、皮肉な結果になります。

ITの本質的な使い方とは?

ITは、「今あるものを効率化する道具」ではありません。
正しくは、経営が描いた戦略を、現場で動く仕組みに変える道具です。
戦略を現場に届けるには、「業務プロセス」という中継地点が必要になります。
つまり、「経営戦略 ⇒ ビジネスプロセス ⇒ IT」という順序で考えるべきなのです。

次回は、その“ビジネスプロセス”という概念の本質についてお話します。


合同会社タッチコア 代表 小西一有