戦略を現場で動かす“仕組み”の正体
「ビジネスプロセス」という言葉、使っていますか?
日本企業ではあまり浸透していないかもしれません。でも、これがわからないと、ITを「戦略の道具」として使うことはできません。
業務フロー≠ビジネスプロセス
フローチャートに描かれた手順書、あれも「プロセス」と呼ばれることがあります。でも、本来のビジネスプロセスはもっと大きなものです。
・顧客に価値を届けるための活動の“構造”
・戦略を具現化する“仕組み”
・組織の価値創出の“設計図”
たとえば「顧客中心戦略」を掲げる企業なら、「お客様の声を聞き、それをサービス改善に活かす」というプロセスが不可欠です。ここまで踏み込んで設計されてこそ、“戦略”が“行動”になります
なぜ日本ではプロセスが軽視されるのか?
・縦割り組織:部門ごとの最適化にとどまり、全体の流れを見ない
・属人化文化:ノウハウは頭の中にあり、共有・再設計されない
・カイゼン信仰:既存の枠の中での改善ばかりで、ゼロベース設計がない
結果として、プロセスを再設計せず、ITだけ入れても意味がないという状況に陥りやすくなります。
戦略が変わったら、プロセスも変わるべき
✓戦略とは「何をやらないか」を決めること。
✓プロセスとは「どうやるか」を設計すること。
✓ITとは「どう動かすか」を支援するもの。
この3つは一体で考えるべきで、切り離してはなりません。
次回は、ITを“戦略を走らせる装置”にするための、具体的なアプローチをご紹介します
合同会社タッチコア 代表 小西一有