TouchCore Blog | 第1回:経営者が抱える“見えない疲れ”と、戦略が語られなくなった理由
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第1回:経営者が抱える“見えない疲れ”と、戦略が語られなくなった理由

中小企業の経営者と話していると、共通して感じることがあります。

それは、皆さんが 「見えない疲れ」を抱えながら毎日を戦っている ということです。

売上のこと、人のこと、資金繰りのこと、取引先との関係…。

どれも今日・明日の会社を守るために必要な仕事です。

しかし、その忙しさの中で、気づけば “未来のことを考える時間がない” という状態になってしまいます。

経営者が悪いわけではありません。むしろ、会社を支えるために全力を尽くしてきた結果です。


■ なぜ経営者は「目の前の問題」ばかりに追われてしまうのか?

ほとんどの中小企業で、

“社長が現場の一番の問題解決者”になっています。

電話が鳴る、トラブル対応に走る、営業に行く、社員から相談を受ける。

こうした日常業務は、社長が動けば確かに早く解決することが多い。

しかし、それは同時に、

「社長が現場の仕事に吸い寄せられてしまう構造」

でもあります。

そして、その構造の中で繰り返し起きることがあるのです。

未来の仕事より、目の前の仕事が優先され続ける。

これが積み重なると、経営者が本来やるべき“3〜5年後の会社をどうしたいのか?”

という、未来をつくる仕事がどんどん後ろに押し出されてしまいます。


■ “戦略”が語られなくなった本当の理由

「戦略」という言葉を聞くと、難しそう、理屈っぽそう、大企業向け…。

そんな印象を持つ経営者が多いのは事実です。

でも、本来の戦略はそんなに難しいものではありません。

戦略とは本来、経営者が“未来に責任を持つ”ための、たった一つの道筋のこと です。

・どんな会社にしたいのか

・どんな価値を提供したいのか

・どんなお客様と長く付き合いたいのか

・そのために、何をやり、何をやらないのか

これを考えるのが戦略です。しかし、現実には次の理由で語られません。

① 忙しすぎて、考える時間がない

戦略とは、静かに自分と会社を見つめる時間が必要です。

しかし、多くの経営者はその時間が確保できません。

② 誰も教えてくれなかった

戦略づくりは実は「技術」です。でも、学ぶ機会がほとんどありません。

③ 戦略よりも“見えている問題”が気になってしまう

トラブル・人・業務…。目の前のことの方が緊急に見えるのです。

こうして、中小企業では戦略が語られず、

結果として “会社の未来は、日々の延長線上でなんとなく決まってしまう” という状態に陥ります。


■ 「目に見える問題」ばかり解決しても、会社が変わらない理由

経営者が忙しいほど、

目に見える問題を次々と片付けるという日常になります。

もちろん、それ自体は悪いことではありません。

しかし、いくら片付けても会社が根本から良くならないと感じたことはありませんか?

その理由は、“現象だけを相手にしているから” です。

例えば、

・もっと営業を強化する

・新商品を出す

・広告を増やす

・業務をIT化する

どれも一時的な効果は出ます。

しかし、“会社の構造”が変わらなければ、すぐに元の状態に引き戻されてしまうのです。

中小企業が飛躍するときには、必ず“構造が変わった瞬間” があります。

逆に、構造が変わらない限り、どれだけ頑張っても「忙しいのに儲からない」状態から抜け出せません。


■ 経営者に必要なのは、もっと頑張ることではなく“視点を変えること”

経営者は皆さん、本当によく頑張っておられます。

誰よりも働き、誰よりも会社を思い、誰よりも先に動いています。

でも、重要なのはここからです。

会社を変えるのは努力量ではなく、“どこを見るか” です。

目に見える現象を見るのか、その奥にある構造を見るのか。

この違いが、3年後・5年後の会社の景色を大きく変えていきます。


■ 次回は、いよいよ“構造”の話へ

第2回では、中小企業が繰り返し同じ問題にぶつかる理由をさらに深掘りし、「見える現象」と「見えない構造」。

そして、多くの企業がIT導入で失敗する本当の理由について、やさしく解説していきます。

未来をつくるヒントを、少しずつ、無理なく、整理してお届けします。


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合同会社タッチコア 小西一有