TouchCore Blog | Weekly:第1回「ある一言が改革を失敗させる」
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Weekly:第1回「ある一言が改革を失敗させる」

「業務は変えていません。システムを入れただけです。」

情報システム導入やDXの現場で、何度この言葉を聞いてきたでしょう。

そして不思議なことに、この言葉が出てくるプロジェクトほど、後から「なぜか現場が回らない」「想定外の混乱が起きた」という結果に行き着きます。

本当に、業務は変わっていないのでしょうか。


▶業務を「作業」だと思っている限り、何も見えない

多くの場合、「業務」とは次のように理解されているでしょう。

•画面に入力する作業

•帳票を作る作業

•ボタンを押す作業

この認識に立てば、

「紙が画面に変わっただけ」

「Excelがシステムに置き換わっただけ」

だから業務は変えていない、という理屈になります。

しかし、それは業務のごく表層でしかありません。

業務の本質は、

•誰が

•どのタイミングで

•どの情報をもとに

•何を判断し

•その結果に誰が責任を持つのか

という、意思決定と責任の流れにあります。

そしてここに、情報システムは必ず介入します。


▶システムを入れた瞬間に、必ず起きている変化

たとえば、こんな変化はないでしょうか。

•これまで口頭で済んでいた判断が、入力必須になった

•「後でまとめて」できていた作業が、その場で即時処理になった

•暗の調整役が、ワークフローから消えた

•誰が承認したのかが、全員に可視化された

これらはすべて、業務の変化です。

にもかかわらず、多くの現場ではこう言われます。

「業務は変えていない。変えたのはシステムだけだ。」

いいえ、正確には、業務がどう変わったかを、誰も認識していないのです。


▶「変えていないつもり」が一番危ない

業務改革やDXが失敗する最大の原因は、「変えた」ことではありません。

「変えていないつもり」で、実は大きく変えていることにあります。

しかもその変化は、

•誰にも説明されず

•誰にも設計されず

•誰にも引き受けられていない

結果として、現場にはこうした感覚が残ります。

•仕事がやりにくくなった

•判断しづらくなった

•責任だけが重くなった

こうなると、ここから先「現場の抵抗が強い」「意識改革が必要だ」という言葉が出始めるのは、もはやお決まりの展開です。


▶問題はシステムではない

ここで誤解してはいけません。

問題は、「情報システムを入れたこと」ではない。「ITベンダーの技術力」でもありません。

問題は、

情報システムがもたらす“組織や人への影響”を、最初から考えていないことにあります。

システムは正しく作られて、要件も満たし、テストも通っている。

それでもうまくいかないのは、設計すべき対象を、設計していないからです。


▶次回予告(第2回1/26)

では、なぜその「影響」は放置されるのか。

なぜ現場は、いつの間にか「抵抗勢力」にされてしまうのか。

次回は、「現場の抵抗が強くて…」という言葉の正体を解きほぐしていきます。


合同会社タッチコア 小西一有

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▶情報システムと影響システムー正しいITが壊すもの(全4回)今後の予定◀

第1回:ある一言が改革を失敗させる(1/19)

第2回:「現場の抵抗が強くて…」は本当か?(1/26)

第3回:「次はAIを入れれば解決する」―技術が問題を増幅させる(2/2)

第4回:第4回:情報システムに影響システムを合わせる極悪非道(2/9)