TouchCore Blog | 第2回(2/5):なぜお客さまの目には、まるっと「ITの人」に見えてしまうのか
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第2回(2/5):なぜお客さまの目には、まるっと「ITの人」に見えてしまうのか

前回、私は「SAPコンサルと同業だね」と言われたときに覚えた違和感について書きました。

今回は、その違和感がどこから生まれるのか―。

お客さま側の視点から掘り下げてみたいと思います。

多くの企業にとって、

• SAPコンサル

• ITコンサル

• DXコンサル

これらは、ほとんど区別されていません。

すべてまとめて、「ITに詳しい人」に見えているのです。


■ 見分けるための「軸」を持っていない

なぜ、こんなことが起きるのでしょうか。

理由は単純で、見分けるための軸が存在しないからです。

業務を設計しているのか。

システムを設計しているのか。

意思決定を支援しているのか。

本来であれば、これらはまったく別の仕事です。

しかし多くの企業では、

• 業務は「現場が知っているもの」

• ITは「ベンダーが考えるもの」

という暗黙の前提があります。

その結果、業務とITの間に立つ人間は、すべて「IT側の人」として一括りにされてしまいます。


■ 「業務を設計する」という発想が存在しません

さらに根深いのは、業務は設計対象だという発想が、そもそも存在しないことです。

多くの企業では、業務はこう扱われています。

• 長年の慣習

• 現場の知恵の集積

• 変えてはいけないもの

だからこそ「業務を設計する人」「業務をモデル化する人」という役割自体が、想定されていません。

この前提のもとでは、業務構造を整理しようとする人は、「ITの前段にいる人」にしか見えないのです。


■ 「入れる前」の仕事が可視化されていない

もう一つ、大きな理由があります。

それは、入れる前の仕事が成果として見えないということです。

SAPコンサルは、

• 設定画面

• カスタマイズ

• 動くシステム

といった、目に見える成果を提示できます。

一方で、例えば私の仕事の成果はどうでしょうか。

• 入れなくて済んだERP製品

• 作らずに済んだアドオン

• 起きなかったトラブル

つまり、「何も起きないこと」が成果です。

これは、評価されにくいものです。

むしろ、「何もしていない」「価値を生んでいない」と誤解されることさえあります。


■ だから「全部同業」に見える

こうした条件が重なると、どうなるでしょうか。

• 業務を設計するという概念がなく

• ITの前工程が可視化されず

• 見分ける評価軸も存在しない

結果として、

ITの話をする人

= ITで食べている人

= 同業

という、大雑把な認識が生まれます。

第1回でお話した、同窓生の一言は、この構造の中では、ごく自然なものだったのです。

■ 問題は「誤解」ではなく「構造」

重要なのは、これは単なる認識不足や勘違いではない、という点です。

• 日本企業の業務の捉え方

• IT導入の進め方

• 評価制度と成果の可視性

これらが組み合わさった、構造的な問題なのです。

なので、正しい説明を一度しただけでは解消しません。

言い直しても、伝わらないのです。

次回は、この構造の中でなぜ「SAP導入にブレーキをかける人」が「敵(エナミー)」にまで昇格してしまうのか。

その心理と組織のメカニズムを、もう一段深く掘り下げていきます。


合同会社タッチコア 小西一有

第1回(1/5):なぜ私は「ERP製品コンサルと同業だね」と言われて傷ついたのか