
「経営コンサルティング会社は何が違うのですか?」
これは、私たちが最も頻繁に受ける質問のひとつです。そして正直に言えば、その疑問はもっともだと思っています。
世の中には、経営コンサルティング会社が無数に存在します。
戦略立案、DX推進、業務改革、人材育成、新規事業支援。
どの会社のWebサイトを見ても、似たような言葉が並んでいます。
「戦略から実行まで伴走します」
「本質的な課題解決を支援します」
「変革を実現します」
どれも間違ってはいません。しかし、どれも抽象度が高すぎるのです。
抽象度が高いということは、差が見えないということです。
多くの経営コンサルティング会社は、「何を提供しているのか」を具体的に語りません。
語れないのではなく、語ると狭く見えるからです。
広く受けられるように、表現を最大公約数に寄せていく。
その結果、業界全体が均質化してしまうのです。
しかし、経営者にとって本当に重要なのは、言葉の美しさではありません。
重要なのは、「あなたは、何を、どこまで、どう変えるのか」という一点です。
実は、多くの経営コンサルティングは“助言業”に留まっています。
経営会議に参加し、意見を述べ、方向性を整理する。
資料を作成し、論点を構造化し、議論を促進する。それ自体は価値があります。
しかし、それは意思決定の補助であって、経営構造そのものを変える行為ではありません。
戦略を立てることと、戦略が機能する構造を設計することは、まったく別の仕事です。
多くの中堅企業で起きている問題は、「戦略がない」ことではありません。むしろ立派な中期計画は存在します。DX方針も掲げています。ビジョンもあります。
それでも変わらない。
なぜか。
原因は単純です。戦略が業務構造に落ちていないからです。
部門の役割は再定義されていない。意思決定の流れは変わっていない。
評価制度も従来のまま。
ITは部分最適で導入される。結果として、戦略と現場の間に見えない断層が生まれる。
この断層を埋める仕事は、アドバイスではありません。構造設計です。
私たちは、自らを「経営コンサルティング会社」と名乗っています。
しかし実態は、経営の構造設計を行う会社です。
戦略を描くことよりも、戦略が動く業務構造を設計することに重きを置いています。
組織の役割分担、業務プロセス、意思決定経路、情報の流れ、ITの位置づけ。
それらを一体で再設計する。
言い換えれば、「戦略を構造に落とす」仕事です。
ここが、私たちが多くの経営コンサルティング会社と決定的に異なる点です。
他社が“正しいことを言う”ことに価値を置くなら、私たちは“正しい構造を作る”ことに価値を置いています。
そのため、耳触りの良い提言だけで終わることはありません。
部門間の権限調整に踏み込みます。業務の再定義に踏み込みます。
時には既存の成功体験を壊す議論もします。
当然、楽な仕事ではありません。
しかし中堅企業にとって本当に必要なのは、抽象的な助言ではなく、「動く構造」なのです。
経営コンサルが山ほど存在する理由は、助言は比較的参入しやすいからです。
しかし、構造を設計し、組織に実装する仕事は簡単ではありません。
それには、戦略理解だけでなく、業務設計能力、IT構造理解、そして何よりも組織の力学を読み解く視点が必要になります。
違いが分からないと言われる業界の中で、私たちはあえて立ち位置を明確にします。
私たちは、アドバイス業ではありません。
経営構造設計業です。
次回は、「戦略を構造に落とす」とは具体的にどういうことなのか。
そして、なぜそれがDX成否を分けるのかについて、もう一段踏み込んでお話しします。
合同会社タッチコア 小西一有