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File 1:経営における情報システムの話

情報システムは何を実装するのか
企業の縦割り組織は、いわゆるセクショナリズムが働いてよろしくない。

経営者は、「当社は一丸となってお客さまの為に」と言うけれど、どんな会社でもお役所でも、大概は一丸になっていません。

一丸になっているためには、会社がどこを向き、どちらの方向に進むのかを、全ての社員が理解し、バラバラにならないようにする必要があります。

そこで、問題は情報システムです。

情報システムの設計・構築、運用をどのように決定しているのか?と尋ねてみると、関わる殆どの人達が「ユーザーのリクエストをきちんと反映させている」とおっしゃいます。

そこで、ユーザーとは誰か?

データ入力のキーパンチャーとかいう論外な回答もありますが、多くの場合に、システムに入力をしたり、システムから帳票を取り出したりするスタッフだという回答です。

ここから、間違いが始まるのです。

情報システムの基本的な役割は、「情報」という経営資源を扱うのだから、経営者がシステムのオーナーであり、その意思が最重要です。

「私は、ITのことには門外漢でして。それぞれの組織の長に任せています。」とおっしゃる経営者も多いのですが、それでは経営の方向性を実装した情報システムは構築できません。

セクショナリズムという、危険なスパイスの効いたシステムが仕上がってしまいます。

まずは、経営の話をしましょう。IT(情報システム)の話はそれからです。

経営者は目指したい姿(方針)を明確にしなければならない

少し前に、ある大企業の社長さんと話をしていた時のことです。

「当社は、プラットフォームになりたい」とおっしゃる。

そう、デジタルビジネスの現在の代表的なビジネスモデルは、プラットフォームです。

「プラットフォームに、どのような期待をお持ちになっていますか。」

「どなたの便益(ベネフィット)を追求したら、プラットフォームを指向することになりますか。」

と尋ねてみると、少々歯切れ悪く、こうおっしゃった。

「デジタルって言えばプラットフォームだろ?」

「プラットフォームは儲かるのだよね。」

突然、今の業態からプラットフォーム型の企業になれる訳はありません。

通常、私たちは目指したい自社の姿が明確であれば、現在との差異(ギャップ)について議論するようにしています。

しかし「GAFAのように儲けたいから、プラットフォームを指向したい」というだけでは議論の余地は無くなってしまいます。

経営者は、より鮮明に目指したい姿をイメージしなければなりません。

そのためには、現在の知識や情報だけでは足らないのです。

アンテナを張り巡らせて、新しい気づきを手にいれる努力を、どうか惜しまないでください。