TouchCore Blog | 【連載】非常識が未来を創るー未来をデザインするステップ:第2回 「常識を逸脱する」という才能
TouchCore Blog

【連載】非常識が未来を創るー未来をデザインするステップ:第2回 「常識を逸脱する」という才能

汗をかく努力と、発想で突き抜ける力の違い

日本社会では、「真面目にコツコツと働くこと」が美徳とされています。たしかに、ひとつの仕事に誠実に取り組み、努力を積み重ねる人がいるからこそ、社会は安定し、経済は回っている。そのことに異論はありません。
しかし、現代のような変化の激しい時代において、「努力」だけでは変革は起こせないという現実もまた見過ごしてはならないのです。
私がこの「イノベーション創造講座」を立ち上げた背景には、まさにこの点への強い問題意識がありました。社会を一歩先に進めるのは、誰にも思いつかないような発想を、誰よりも早く、そして上手に形にした人たちです。努力の質が「思考」に向かうべき時代が、すでに来ているのです。

汗をかく努力から、思考する努力へ
「イノベーション」という言葉を耳にしたとき、多くの人は「何か新しい技術を使うこと」や「最新トレンドに乗ること」を連想します。しかし、本質はそこにはありません。
私が問いたいのは、「そもそも、突き抜けた発想を生み出すには何が必要なのか?」ということです。
✓新たなテクノロジー?
✓新たな知識や情報?
それらも一助にはなるでしょう。けれど、私の答えはシンプルです。
必要なのは、“柔らか頭”だけなのです。

発想を生み出す力こそがイノベーションの源泉

世の中を変えるのは、決して“努力の量”だけではありません。むしろ、「その発想はなかった!」という一点で、状況をひっくり返すような変化を生み出す人物が、未来を切り拓いていきます。
このことを説明するのに、私はよくアインシュタインの例を引き合いに出します。
彼は決して、当時の物理学界におけるエリートコースを歩んできたわけではありません。特別な研究所にいたわけでも、大勢の助手がいたわけでもない。むしろ、彼の「相対性理論」は、古典的な物理学という“常識”の枠を軽やかに飛び越えることによって誕生したものでした。
私はこう考えます。
アインシュタインは、物理学の天才ではなく、「新しい発想を生み出す天才」だったのだと。
常識から自由になるために
とはいえ、「常識から逸脱する」と聞くと、多くの人は「それは一部の天才だけができることだ」と考えてしまいます。でも本当にそうでしょうか?
実は、人は誰でも常識から自由になる力を持っています。ただ、それが日々の仕事や教育環境の中で、無意識のうちに封じ込められてしまっているのです。
✓こんなこと言ったら変に思われるかも
✓上司の方針と違うかもしれない
✓どうせ無理だと思われるだろう
そんな“空気”が、発想の芽を摘み取ってしまっているのです。

「イノベーション創造(アイディア創出)講座」では、この「思考の制約」から自分を解き放つ訓練を繰り返し行います。具体的には、ラベリングや視点転換のワークを通して、物事を“言い換える力”を育てます。そして、多様なバックグラウンドを持つ参加者同士が、何度もアイディアを出し合うことで、固定化された思考の癖をほどいていきます。
繰り返しますが、柔らか頭は、センスや才能ではなく“習得できるスキル”なのです。
なぜ、今この力が必要なのか?
今、企業や自治体、教育機関、医療現場など、あらゆる組織が変革の必要性に迫られています。「これまで通り」のやり方が通用しなくなり、既存の制度や前提が揺らいでいる。だからこそ、新しい枠組みをつくれる人材が、これまで以上に求められています。
そして、その出発点にあるのが「発想の転換」です。
それは、革新的なビジネスを生むというだけでなく、日々の業務やチーム運営を改善する力でもあります。実際、過去に当講座を受講された方の中には、社内での企画提案が通りやすくなった、チーム内の会議の質が上がった、といった成果を実感された方も少なくありません。

「柔らか頭」を育てるための3つの演習とは?
次回は、講座の中でも特に効果の高い「柔らか頭を育てる演習メニュー」についてご紹介します。座学だけでは身につかない、「気づき」と「実感」に満ちた演習を通して、どのように発想力が変わっていくのかをお伝えします


合同会社タッチコア 小西一有


||申込み受付スタートしました!||

2025年10月期「イノベーション創造(アイディア創出)講座」

[連載過去回]

第1回:普通のアイディアでは社会は変わらない