
ここからは、四つの業界でWho/What/How/ValueをA3一枚にまとめたサンプルを提示します。
コピペではなく“自社の言葉”に必ず置き換えてください。
(1) 製造・装置Who:生産技術リーダー(立上げ初月)。
・What:停止時間を30%削減し、歩留まり安定までの期間を短縮。
・How:①稟議→効果試算テンプレ添付、②設定→初日8h同席チューニング、③障害→一次切り分けSLA15分、④教育→1分動画×10。
・Value:削減ダウンタイム時間×ライン数の年契約。KPI:停止時間△30%、クレーム△40%(4週間)
(2) 商社・卸
・Who:現場監督(工程止まりを避けたい)。
・What:代替提案〜承認までの時間を半減。
・How:互換品レコメンド+在庫/納期即時表示、差額×工期遅延コストの自動PDF、当日受け渡しロジの固定枠。
・Value:即納利用回数+代替成約率連動。KPI:停止回避件数、承認時間(2週間)。
(3) B2B SaaS
・Who:営業部長(月末)。
・What:最終週の予実ブレを半減。
・How:カレンダー/メール自動起票、アジェンダ自動生成、危険アカウント予測アラート。
・Value:有効商談×予測精度改善率で段階課金。KPI:予実乖離△50%、レビュー時間△30%(2週間)。
(4)専門サービス(士業)
・Who:中小企業社長(締切管理)。
・What:期限遵守率100%/不備差戻し△70%。
・How:証憑チェックリスト、関係者ポータル、SMSリマインド。
・Value:成功件数×規模区分+期限遵守ボーナス。KPI:遅延ゼロ、不備率(1ヶ月)。
サンプルはあくまで“当て込みの型”です。面倒→解消策を三つに絞り、価値メトリクス先行で値付けを決めることだけは共通ルールにしてください。
合同会社タッチコア 小西一有
第1回:価値とは「お客さまの進歩」である—“儲け”から切り離す再定義
第2回:価値は“実装”されてはじめて効く—Who/What/How/Valueの四点合わせ
第3回:“複合”が模倣を難しくする—進歩×面倒解消×収益連動の噛み合わせ