
最近、多くの企業が、「AI活用」へ取り組み始めています。
・生成AI導入
・AIチャットボット
・AI分析
・AIエージェント
・業務自動化
など、“AIを使って何かを変えたい”という機運は急速に高まっています。
しかし、その一方で、私は多くの企業において、「AIを導入したが、思ったほど成果が出ない」という状態が起き始めているように感じています。
もちろん、AI技術自体は非常に強力です。
しかし、ここで重要なのは、「AIは、曖昧な業務構造を理解することが苦手」だということです。
これは極めて重要な論点です。
例えば、日本企業では長年、
・空気を読む
・阿吽の呼吸
・暗黙の了解
・ベテラン判断
・現場調整
によって、業務が成立してきました。
つまり、「人間が補完する」ことを前提に、組織が動いてきたのです。
しかし、AIは、「空気」を理解しません。
AIが理解出来るのは、
・状態
・ルール
・条件
・データ
・関係性
です。
つまり、「業務構造」が定義されていなければ、AIは正しく機能しません。
例えば、多くの企業では、
「この案件、誰へ依頼すべきか」
が、暗黙知になっています。
ベテラン社員は、
・過去経験
・人間関係
・部門事情
・空気感
を踏まえて判断します。
しかし、それが定義されていなければ、AIは判断出来ません。
また、
・どの条件で例外処理になるのか
・どの状態でエスカレーションするのか
・どの判断を優先するのか
も、曖昧なまま運用されているケースが非常に多い。
つまり、多くの日本企業では、「業務そのもの」が、人間依存になっているのです。
ここで重要なのは、AIは「人間の代替」ではなく、「構造化された業務」を高速実行する存在だということです。
つまり、「構造」が無ければ、AIは能力を発揮出来ません。
私は、ここに、日本企業の大きな課題があると思っています。
現在、多くの企業では、「AIを入れれば効率化出来る」と考えています。
しかし本当は、「AIが理解出来る業務構造になっているか」の方が重要なのです。
例えば、
・状態定義
・責任定義
・判断条件
・データ意味
・イベント定義
が統一されていなければ、AIは正しく学習も分析も出来ません。
つまり、「業務モデリング」が出来ていない企業では、AI活用も難しいのです。
逆に言えば、業務モデリングされた企業では、
・業務状態
・状態遷移
・判断ルール
・データ定義
が整理されます。
すると、初めて、
・AI分析
・AI支援
・AI自動化
・AIエージェント
が意味を持ち始めます。
つまり、「AI活用」とは、本来、「AIを導入すること」ではありません。
「AIが理解可能な業務構造を持つこと」なのです。
ここで私は、以前お話しした、「業務構造データ」の重要性を改めて感じます。
例えば、本当に必要なのは、
・誰から依頼されたのか
・誰へ依頼したのか
・どの条件で状態が変化したのか
・どの調整が発生したのか
・どのノウハウが得られたのか
といった、「業務状態遷移」そのものです。
つまり、AI時代に必要なのは、「結果データ」だけではありません。
「業務がどう成立したのか」を表現する構造データなのです。
私は、多くの企業で、「AI導入」が目的化してしまっていると見ています。
しかし本当に必要なのは、「AIが理解出来る企業構造を持つこと」
ではないでしょうか。
なぜなら、構造が曖昧なままAIを導入すると、最終的には、「暗黙知をAIへ押し付ける」ことになってしまうからです。
しかし、暗黙知は、本来、「人間依存リスク」でもあります。
だからこそ、これからの時代に必要なのは、
「AIを使うこと」ではなく、「業務構造を定義すること」だと考えています。
そして、その土台になるのが、「業務モデリング」なのです。
私は、AI時代とは、「構造化能力」が企業競争力を決める時代なのではないかと思っています。
合同会社タッチコア 小西一有
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