TouchCore Blog | 第5回:戦略的アドバイザリーが拓く未来
TouchCore Blog

第5回:戦略的アドバイザリーが拓く未来

4回にわたって、アドバイザリーサービスの本質や役割について述べてきました。

・第1回では、従来型コンサルティングや丸投げ型SIとの違い

・第2回では、四大経営資源としての「情報」の特性

・第3回では、アドバイザーに必要な資質―恣意を排した情報提供の姿勢

・第4回では、成果物ではなく“考える文化”を社内に残す意義

最終回は、それらを総括し「戦略的アドバイザリーが経営にもたらす未来」を展望します。


日本企業が直面する壁

日本企業の多くは、いま大きな壁に直面しています。人口減少と市場縮小、グローバル競争の激化、そしてDXの必要性。

ところが現実には、「DX=システム刷新」「IT導入=自動化」といった短絡的な発想が蔓延しています。そこに共通しているのは「構想なき導入」です。戦略とのつながりを問わず、効率化だけを追求したIT投資が繰り返され、成果が見えないまま疲弊している企業が少なくありません。

この構造を変えるには、外部の知識を一時的に持ち込むのではなく、自社に「構想力」と「考える力」を根づかせる必要があります。


戦略的アドバイザリーの役割

戦略的アドバイザリーは、次のような未来を経営にもたらします。

・短期的成果ではなく、長期的な自走力を育む

・外部依存ではなく、内部の思考文化を根づかせる

・システム導入を“効率化”ではなく“経営の意志の実装”として捉える

・調整コストを削減し、組織の知的生産性を高める

つまり、アドバイザリーは「経営の頭脳にもう一つの視座を与える存在」なのです。


情報を正しく使う経営へ

これからの企業経営にとって最も重要なのは、「情報をどう使うか」です。
情報は、人を正しい方向にも、誤った方向にも動かします。だからこそ、客観的で公正な情報をどう選び取り、どう意思決定に活かすかが経営の未来を左右します。

戦略的アドバイザリーは、情報の扱いを恣意から切り離し、経営者に本当に必要な判断材料を提供します。それによって、KKD(勘と経験と度胸)頼みの経営から脱却し、構想力に基づいた経営へと進化できるのです。


未来を選ぶのは経営者自身

アドバイザリーは魔法の杖ではありません。答えを外部から持ち込むこともしません。
しかし、問いを立て直し、情報を整え、意思決定の軸を提供することで、経営者が自ら未来を選び取れるように支援します。

選択肢は二つです。

・報告書や外部依存に頼り続ける未来

・自ら問いを立て、考え続ける未来

私たちは後者を選ぶ企業と共に歩みたいと考えています。

皆さんへ

あなたの会社は、どちらの未来を選ぶでしょうか。
「構想なきDX」を繰り返しますか。それとも、「戦略的アドバイザリー」と共に、自ら考える文化を育てますか。

経営の未来を決めるのは、外部ではなく、あなた自身の選択です。


合同会社タッチコア 小西一有


第1回:なぜ「コンサルティング」ではなく「アドバイザリー」なのか

第2回:経営における「情報」の特性とアドバイザーの役割

第3回:アドバイザーに必要な資質とは何か

第4回:アドバイザリーが残すものー社内に根づく「考える力」

[無料体験]アドバイザリーサービス 詳細・お申込み