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第5回:経営者こそ、自ら学び直そう―教育を経営戦略と一体化せよ

この連載の中で繰り返しお伝えしてきたのは、「人材育成=若手研修」という常識を疑うことです。
若手にどれだけ教育を施しても、幹部や経営層が学ばなければ会社は変わりません。
では最後に、経営者自身が「学び直すこと」の意味を改めて考えてみたいと思います。


教育は人事部の仕事ではない

多くの経営者は「社員教育は人事部の役割」だと考えています。
もちろん制度や運営は人事部が担います。しかし、教育の本質は 経営戦略の実行基盤 です。
教育を単なる福利厚生や社内制度として切り離してしまうと、組織の成長は止まってしまいます。

経営者が教育を「経営そのもの」と捉えると、視点は大きく変わります。
どんな市場で戦うのか、そのためにどんな人材が必要か、そしてどんな学びが求められるのか―。
教育は経営戦略と一体で設計されるべきなのです。

経営者が学ばない会社の未来

私は多くの企業で「幹部も経営者も学ばない」姿を見てきました。
そうした会社では、社員に研修を受けさせても効果はほとんどありません。
なぜなら、学んだ内容を活かせる環境を整えるのは幹部や経営者だからです。

経営者自身が学ばずに「若手に期待する」構図は、社員にとっては白けるものです。
「自分は学ばないのに、なぜ私たちだけが研修を?」
そうした不信感が広がり、せっかくの投資が逆効果になることもあります。

学ぶ経営者は未来を切り拓く

一方で、学び続ける経営者は例外なく組織を強くしています。
自ら学ぶ姿を社員に示し、「学び続けることが当たり前」という文化を育てるのです。

たとえば、ある経営者はDXに取り組む際、自ら専門書やセミナーで学び続けました。
その姿を見た幹部が感化され、現場の社員も自然に勉強を始めました。
結果として、全社的に「学ぶ組織」が育ち、改革はスムーズに進みました。

経営者が学ぶことは、単なる自己研鑽にとどまりません。
学ぶ姿勢そのものが、組織を動かすメッセージになるのです。

経営者に求められる3つの学び

私は経営者にこそ、次の3つの領域での学び直しが必要だと考えています。

1.経営環境の変化を読む学び
市場構造、産業構造の変化を理解し、未来のシナリオを描く力。

2.人と組織を動かす学び
リーダーシップ、モチベーション、心理的安全性といった人間理解。

3.デジタルを経営に活かす学び
DXやAIを単なる流行ではなく、戦略に組み込むための視座。

これらは一度学んで終わりではなく、常に更新し続けるべき領域です。

私の役割―経営者に伴走すること

私は、教育を「経営戦略の一部」と捉える経営者を支援する伴走者でありたいと考えています。
社員教育をどう設計するかに加えて、経営者自身が学ぶ場をどう確保するかを共に考える。
そこに私の役割があると思っています。

経営者が学び直しを決意すれば、組織は必ず変わります。
そしてその変革は、社員一人ひとりの成長と企業の未来を確実に拓いていくのです。

まとめ

教育を「若手のためのもの」と捉える常識を超えて、教育を「経営戦略の実行基盤」と再定義すること。

経営者自身が学び直し、幹部が変わることで、初めて若手の学びも活きてきます。
人材育成の最大の課題は、実は経営者自身にあるのです。

そして私は、その挑戦に伴走する相談相手でありたいと考えています。

教育を「人事の仕事」に任せるのではなく、経営戦略と一体化させたい経営者の方へ。
ぜひコメントやメッセージでご意見をお寄せください。
私は経営者の学び直しと幹部教育に伴走し、貴社の未来を共に描いていきます。


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合同会社タッチコア 小西一有

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