
今回の連載の最後は、価値をビジネスモデルに定着させる実装ロードマップです。
大型プロジェクト化を避け、二週間スプリント×三本(計六週間)で“手触り”をつくります。
Sprint1(週1–2):価値の芯を一行化(Who/What)。図解なしでも言えるまで短く。面倒を棚卸しし、解消策を三つに絞る。価値メトリクスを仮決めし、価格は後から従わせる。KPIは二つ(導入日数/稟議通過率/活用率/一次切り分け時間 など)。
Sprint2(週3–4):先行3〜5社(または2チーム)でA/B実装。営業資料は**「誰のどの場面の進歩を加速するか」で始め、FAQに面倒五点(稟議・設定・移行・障害・更新)の対策を明記。毎週レビューし、A3を上書きする。
Sprint3(週5–6):うまく動いた要素を二つだけ複合(例:成果連動×データ資産、アフター強化×ロックイン)。Valueの回収ロジックを試験導入し、値引き依存を外す。
失敗パターンと回避:①価格先行→価値メトリクス先行へ巻き戻す、②Howの増築→三つに制限、③KPI多すぎ→二つに絞る、④受注偏重評価→90日後の活用率/解約率を表彰指標に入れる。
六週間で導入日数短縮・通過率向上・活用率上昇のいずれかが目に見えて動けば、社内の空気は変わります。以降は回転数を上げるだけです。価値は『定義(進歩)』し、『実装(四点合わせ)』し、複合(二つ三つの噛み合わせ)で模倣困難にする。ここまで落とし込めば、値下げに頼らず選ばれる側に回れます。
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合同会社タッチコア 小西一有
第1回:価値とは「お客さまの進歩」である—“儲け”から切り離す再定義
第2回:価値は“実装”されてはじめて効く—Who/What/How/Valueの四点合わせ
第3回:“複合”が模倣を難しくする—進歩×面倒解消×収益連動の噛み合わせ
第4回:業界別“価値→モデル”A3サンプル—製造/商社/SaaS/専門サービス