TouchCore Blog | 第4回:業務改革が失敗する典型パターンービジネスアーキテクチャを欠いた改革は、必ず迷走する
TouchCore Blog

第4回:業務改革が失敗する典型パターンービジネスアーキテクチャを欠いた改革は、必ず迷走する

構造を持たない改革は失敗する

多くの企業が業務改革やDXに挑戦していますが、途中で止まる理由の多くは、構造を定義せずに始めていることです。
ERPやRPAなどのツール導入を“改革”と捉えがちですが、構造がないままでは混乱を招くだけです。

失敗パターン1:手段が目的化する

ツール導入がゴール化し、業務の本質が置き去りになる。
構造があれば、「どの機能を共通化し、どこを差別化するか」が明確になります。

失敗パターン2:部門単位の最適化

営業・生産・経理がそれぞれ独自に改革を進め、全体の整合性が崩壊。
構造がなければ“価値連鎖”が見えず、全体最適は実現しません。

失敗パターン3:経営が構造を描かない

改革を「現場の努力」と誤解するケースです。
構造を描くのは経営の仕事であり、経営がその設計図を示さない限り、現場は動けません。

失敗パターン4:翻訳者が不在

経営の意図を現場に翻訳する人材がいないと、意味が変質します。
ミドル層が“構造を理解して翻訳できる力”を持つことが不可欠です。

失敗パターン5:評価制度が構造を壊す

短期成果や部門成果を重視する評価制度では、構造的改革は進みません。
価値連鎖全体で成果を評価する仕組みへと転換する必要があります。
どんな企業にも素晴らしい構想があります。
でも、それが現場に届かずに終わってしまうケースも多いですよね。
そこで大切なのが、経営者が“構造的な視点”を持つことです。


合同会社タッチコア 小西一有

第1回:なぜ“成長戦略”は現場に届かないのか― 戦略と業務をつなぐ「構造設計」の欠如
第2回:意図が伝わらない組織の構造―経営の言葉を翻訳する「ビジネスアーキテクチャ」の必要性
第3回
:戦略を業務に翻訳するという仕事ービジネスアーキテクチャが描く「実装としての戦略」