
本テーマ(中小企業の未来は“構造”で決まる)の第1回~第4回までで、
中小企業がなぜ現象に振り回され続けるのか、そして経営者の仕事とは本来“未来をつくること”であることをゆっくりと紐解いてきました。
最終回となる今回は、忙しい経営者でも今日から実践できる「未来づくりの始め方」 を、無理のない形でまとめます。
壮大な戦略書を作る必要はありません。立派な資料も、専門知識もいりません。
未来は、たった一つの問いかけから動き始めるということを感じていただければと思います。
■ 未来づくりの最初の一歩は「3つの質問」だけでいい
未来を考えると言うと、多くの経営者は構えてしまいます。
しかし最初は、シンプルな質問に答えるだけで十分です。
質問①
「3年後、会社がどんな状態になっていたら嬉しいか?」
数字にしなくて構いません。感覚で大丈夫です。
・今より笑顔が増えている
・お客様から選ばれている
・強みがもっと明確になっている
・無駄な仕事が減っている
・社員が誇りを持てている
この“嬉しい未来”こそ、戦略の出発点です。
質問②
「その未来に向かうために、何を“やめられる”か?」
戦略の本質は選択と集中です。未来づくりには、“減らす勇気”が欠かせません。
・本当は効果の薄いサービス
・非効率な慣習
・利益を生まない仕事
・惰性で続いている活動
・経営者の“便利屋役”の仕事
何をやめるかを決めるだけで、未来に使える時間とエネルギーが生まれます。
質問③
「その未来を実現するために、“向かう市場”と“出逢う新たな顧客”は誰か?」
ここが未来づくりの核心です。
・今後、どんな市場に“向かう”のか
・どんな新しい顧客と“出逢いたい”のか
・どんな価値を届けて、その顧客に選ばれるのか
この問いに向き合うと、これまでの延長線ではない「可能性の道筋」が見え始めます。
■ これだけで、戦略の“原型”がつくられる
3つの質問に答えるだけで、戦略の核となる以下が浮かび上がります。
・未来のありたい姿(ビジョン)
・やるべきこと/やめるべきこと
・価値づくりの方向性
・向かう市場
・出逢う新たな顧客
実は戦略とは、特別な専門家だけが作れるものではありません。
会社の未来を誰よりも願っている“経営者自身の頭の中”にすでにあるというのが真実です。
必要なのは、その“まだ言語化されていない未来”をゆっくり整理してあげることだけです。
■ 戦略とは“選択の技術”であり、“手放す勇気”で完成する
多くの経営者が誤解していますが、戦略とは 「全部やる」ことではありません。
むしろ逆です。
・本当にやるべきことだけ残す
・やらないことをはっきりさせる
・資源(時間・人・お金)を未来に向けて再配分する
これらが揃ったとき、会社は驚くほど軽くなり、前に進み始めます。
戦略は派手さのある仕事ではありませんが、未来の成長力を決定づける“経営者だけの仕事” です。
■ 未来づくりは「一人では続かない」からこそ、伴走者が必要になる
ここまでお読みいただいた方なら、未来づくりが決して難しい話ではないと感じていただけたのではないでしょうか。
しかし一方で、経営者が一人で未来に向き合い続けることは、とても難しいという現実もあります。
忙しさで時間が奪われる
・現象が次々と押し寄せる
・意思決定が日々乱される
・孤独な判断が続く
・誰も壁打ち相手がいない
そこで必要になるのが、未来づくりの伴走者 です。
伴走者がいることで、考え続けるための“場”ができる
・気づかなかった構造的課題が見える
・決断の質が上がる
・戦略がブレなくなる
・行動が積み上がる
経営は圧倒的に前へ進みます。
■ わたしたちタッチコアは、悩める経営者の“未来づくりの伴走者”です
多くの中小企業が、「現象対応の毎日」から抜け出せずにいます。
本当に必要なのは、未来に向かうための“戦略の地図”を一緒につくること。
未来をともに描き、構造を見極め、向かう市場と出逢う新たな顧客を明確にし、無理のないペースで実装していく。
タッチコアは、その過程を伴走するために存在しています。
未来づくりは、大きな決断では始まりません。今日、この瞬間に、こう問いかけるだけで十分です。
「3年後、どんな会社でありたいか?」
未来は、今日の小さな一歩から始まります。
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合同会社タッチコア 小西一有
第1回:第1回:経営者が抱える“見えない疲れ”と、戦略が語られなくなった理由
第2回:小手先の改善では会社が変わらない理由ー「見える現象」と「見えない構造」
第3回:経営者の本当の仕事は「未来をつくること」ー現場に吸い寄せられる理由と戦略が持つ意味
第4回:小手先の改善と戦略はまったく別のものー 戦略とは“未来をつくる意思決定”である