TouchCore Blog | IT・DX:第5回 内製化の前にやるべきこと
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IT・DX:第5回 内製化の前にやるべきこと

ここまで、内製化について考えてきました。

・なぜ内製化がブームになっているのか

・本当にそれで問題は解決するのか

・本質は技術ではなく構造にあること

・「作れる組織」と「変えられる組織」の違い

これらを踏まえると、一つの結論にたどり着きます。

内製化は手段であって、出発点ではない

多くの企業では、

・ベンダー依存から脱却したい

・コストを下げたい

・スピードを上げたい

といった理由から、内製化に取り組みます。

しかしその前に、立ち止まって考えるべき問いがあります。

「何を変えるのか?」
「なぜそれをやるのか?」


この問いに答えられないまま内製化を進めれば、

それは単に「作る場所を変えただけ」に終わります。

では、内製化の前にやるべきことは何でしょうか。

答えは明確です。


▶▶IT企画機能を確立する

まず必要なのは、「IT企画機能」の確立です。

ここで言うIT企画とは、

・システムの要件をまとめることでも

・現場の要望を集めることでもありません

本来の役割は、

・経営の意図を理解し

・業務の構造を捉え

・何を変えるべきかを定義し

・それを実現可能な形に設計する

ことです。

この機能がなければ、

・内製化しても混乱は続き

・外注しても同じ問題が繰り返される

だけです

▶▶業務を構造として設計する

次に必要なのは、業務を構造として捉えることです。


多くの企業では、

・現場の要望を集める

・それをシステムに反映する

という進め方をします。

しかしこれは、部分最適の積み上げに過ぎません。

本来必要なのは、

・業務全体を俯瞰し

・どこに価値があり

・どこを変えるべきかを見極める

という視点です

そしてその構造に基づいて、システムは設計されるべきものです。

▶▶外部との関係を再設計する

内製化か外注か、という議論は、本来は二者択一ではありません。

重要なのは、どこを自社で持ち、どこを外部に委ねるかという設計です。

・構想・設計は自社

・実装は外部

という形もあれば、

・中核は内製

・周辺は外部

という選択もあります。

つまり、外部を排除することが目的ではないのです。

▶▶内製化は「結果」である

ここまでをまとめると、こうなります。

・IT企画機能が確立され

・業務が構造的に設計され

・何を作るべきかが明確になった

その時はじめて、

「では、それをどう実現するか」という問いが意味を持ちます。

その答えの一つが、内製化です。

つまり、内製化は“出発点”ではなく、“結果”であるということです。

▶▶なぜこの順序が重要なのか

この順序を間違えると、

・作れるが変えられない組織になり

・コストは下がらず

・システムは複雑化する

という状態に陥ります。

一方で、この順序を守れば、

・投資は適切に配分され

・無駄な開発や運用が減り

・結果としてコスト構造も改善される

という流れが生まれます。

これは決して理想論ではありません。

実際に、上流(企画・設計)に投資した企業ほど、全体最適化が進むという傾向は、多くの調査でも示されています。

■最後に

内製化は、間違った選択ではありません。

しかし、それを“解決策”として位置づけてしまうと、本質を見誤ります。

必要なのは、

・ITを「作るもの」としてではなく

「経営を実現する手段」として捉えること

そして、何を変えるのかを設計できる力です。

この力こそが、今週に繰り返し述べてきたIT企画人材の役割です。

内製化を検討する前に、
まずこの点から見直してみてはいかがでしょうか。

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合同会社タッチコア 小西一有

[今週のBlog]

第1回 なぜ今、内製化がブームになっているのか?

第2回 内製化すれば本当にうまくいくのか?

第3回 内製化の失敗は“技術”ではなく“構造”の問題である

第4回 「作れる組織」と「変えられる組織」は何が違うのか