TouchCore Blog | IT・DX:第1回 なぜ今、内製化がブームになっているのか?
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IT・DX:第1回 なぜ今、内製化がブームになっているのか?

ここ数年、「内製化」という言葉を耳にする機会が急激に増えました。

システム開発や運用を外部ベンダーに委ねるのではなく、自社で担う。
いわゆる「内製化」です。

多くの企業で、この方向に舵を切ろうとする動きが見られます。

この流れ自体は、決して不思議なものではありません。

むしろ、ある意味では“自然な反応”だと言えます。

これまで多くの企業は、ITを外部ベンダーに依存してきました。

・要件を伝えれば作ってくれる

・運用も任せられる

・トラブルも対応してくれる

一見すると合理的な関係です。

しかし、その裏側では、さまざまな問題が蓄積してきました。

例えば、

・ちょっとした変更でも時間がかかる

・コストが想定以上に膨らむ

・ベンダーの都合に引きずられる

そして何より、

「自社のシステムなのに、自分たちでコントロールできていない」

という感覚です。

さらに近年では、コストに対する不満も顕在化しています。

中堅企業の経営者からは、こんな声を聞くことがあります。

「ITベンダーの業績が良いのは、我々が“お布施”をしているからではないか」

やや強い表現ではありますが、そこには一定の実感が込められています。

システム開発や運用を外部に委ねることで、

・継続的にコストが発生し

・その内訳も見えにくく

・価格交渉の余地も限られる

こうした状況が続く中で、

「内製化すれば、この構造から抜け出せるのではないか」という発想が生まれるのは、自然な流れでしょう。

少なくとも、外部ベンダーに利益を支払い続ける構造からは脱却できる。
その分、コストは下がるはずだ——という期待です。

この違和感は、デジタル化が進むほど強くなります。

なぜなら、ITはもはや単なる業務支援ツールではなく、
ビジネスそのものに直結する存在になっているからです。

顧客接点、業務プロセス、意思決定—そのすべてにITが関与する時代において、

「外部任せのままで良いのか?」

という問いが、企業の中で現実味を帯びてきます。

こうして、多くの企業が考え始めます。

「それなら、自分たちでやるべきではないか?」

これが、内製化ブームの出発点です。

さらに、

・クラウドの普及

・開発ツールの高度化

・エンジニア採用の活発化

といった環境変化もあり、「以前よりも内製化しやすくなった」という認識も広がっています。

ここまでを見ると、内製化の流れは非常に合理的に見えます。

・コントロールできる

・スピードが上がる

・コストも最適化できるまさに“良いことづくめ”です。

しかし、本当にそうでしょうか。

ここで一度、立ち止まって考える必要があります。

内製化とは、

「開発や運用を誰が担うか」という問題です。

一方で、企業が本来向き合うべき問いは、

「何を作るべきか」
「どう変えるべきか」

ではないでしょうか。

この問いが曖昧なまま、

・外注をやめて内製にする

・ベンダーを自社に置き換えるという対応だけを行ったとしたら—。

それは単に、「作る場所が変わっただけ」になりかねません。

内製化は、確かに重要な選択肢の一つです。

しかし、それはあくまで手段であって、それ自体が問題解決ではありません。

では、内製化は本当に企業の変革につながるのでしょうか。

それとも、別の問題を生み出すのでしょうか。

次回は、「内製化すれば本当にうまくいくのか?」という観点から、
もう一歩踏み込んで考えていきます。

合同会社タッチコア 小西一有