業務モデリングが「説明資料」で終わってしまう理由 ―「業務モデリング」が日本で活用されない理由② //日本企業で作られる業務モデルの多くは、意思決定の道具ではなく、 説明を無難に終わらせるための資料になっています。 説明できる。整理されている。―でも、何も決まっていない。 業務モデリングとは、本来業務を説明するためのものではなく、業務を決めるためのものです。 第2回では、なぜモデリングが「説明資料」に堕ちてしまうのか、その構造を整理しました。
第1回:なぜ日本では「業務をモデルで考える」文化が育たなかったのかー「業務モデリング」が日本で活用されない理由① //なぜ日本では、「業務をモデルで考える」文化が育たなかったのか。 日本の業務は長年、暗黙知によって運用されてきました。 しかしそれを、単純に「日本の強み」として語ってよいのでしょうか。 知識創造理論(SECIモデル)を提唱した野中郁次郎先生は、 暗黙知に依存し続ける日本型ビジネスに、早くから警鐘を鳴らしていました。 暗黙知は否定すべきものではない。 しかし、形式知へ引き上げ、組織として共有できなければ競争力は続かない。 業務モデリングは、暗黙知を否定するためのものではありません。 暗黙知を「設計可能な形」に変換するための行為です。 この前提を欠いたままDXや業務改革を語っても、 モデリングが根付くことはありません。
Weekly:正論のモデリングが、組織に根付かない理由 ―モデリング導入に立ちはだかる“見えない壁” //なぜ、モデリングは「正しい」と言われ続けているのに、現場では使われないのか。 スキルが足りないからでも、ツールが悪いからでもありません。多くの組織で起きているのは、モデリングが「説明資料」になり、「専門家の仕事」になり、そして「何を決めるためのものか」が曖昧なまま始まっている、という問題です。 モデリングとは、本来業務を可視化するための作業ではなく、業務を“決める”ための思考装置です。 決める覚悟なき組織に、DXも、AI活用も、業務改革も根付きません。 モデリング導入に立ちはだかる“見えない壁”について、Weekly Blogとして整理しました。
第5回:正しい要件定義を組織に根づかせる方法ー経営・情シス・業務部門・ベンダーの4者構造を“戦略実装型”に組み替える //経営の意志を“構造”として業務とITに落とし込むためには、組織全体の役割を整理し直す必要があります。 その実践方法をわかりやすくまとめました。
第4回:情シス× 業務改革部門の役割再定義ー“便利屋”ではなく戦略を実装する企業の中枢機能です //情シスや業務改革部門は「便利屋」ではありません。 実は、企業の未来を形づくるための“戦略実装機能”です。 この役割を見直すことで、IT投資の悩みは大きく解消されます。
第3回:ITベンダーが“本来の要件定義”を担えない構造的理由―ベンダー依存の限界と経営が理解すべき役割分 //「長年の付き合いのあるベンダーが何とかしてくれる」 そう信じていませんか? 実はそこに、IT投資が報われない“構造的な理由”があるかもしれません。 本来の要件定義とは何かを経営視点で解説します。
第2回:本来の要件定義とは“経営の意志の構造化”ー戦略を業務と情報に落とし込むための実務的アーキテクチャ思考 //多くの企業で、要件定義が“現場の改善要望の整理”に偏ってしまっています。 しかし本来の要件定義とは、経営の意志を業務と情報に落とし込む「企業の未来設計」です。 戦略が現場に伝わらない理由をわかりやすく解説します。
第1回:いま日本で行われている「要件定義」は、要件定義ではないー 情シスがなぜ疲弊し、ベンダーがなぜ“ユーザー要望書”を量産するのか //現在、日本企業の多くで行われている「要件定義」は、実は要件定義ではありません。 多くのITプロジェクトで、経営の意志が要件に反映されず、現場の改善要望が中心になってしまっています。 企業が本当に強くなるためには、戦略を実装するための正しい要件定義が必要です。