第2回(2/5):なぜテクノロジーに逃げ改善に留まるのか―人口構造問題と環境問題が示す“思考の安全地帯” //4月期講座開講にむけて~ なぜ人はテクノロジーに逃げ、改善に留まるのか。 人口構造問題でも環境問題でも、多くの議論は「今の構造を維持する」という前提の中での効率化や最適化にとどまります。 それは合理的で安全だからです。 しかし前提を疑う問いは、不安を生み、既存の成功モデルや専門性を揺さぶります。 だから人は無意識に“思考の安全地帯”へ戻る。 競争優位は、改善の延長線上ではなく、前提を壊した先に生まれる。 今回は、その構造を可視化していきます。
第1回(1/5):なぜあなたのアイデアは「他にもある」と言われるのか ―人口構造問題と環境問題が示す“凡庸化の構造” //4月期講座開講にむけて~ 「それ、他にもありますよね。」と言われる理由は、発想力ではなく“前提”にあります。 人口構造問題では「労働力を維持する」、環境問題では「生産し続ける」。 同じ前提に立つ限り、解は似通い、構想は凡庸化します。 イノベーションは、改善ではなく「仕方がない」と思っている前提を疑った瞬間に生まれる。 能力ではなく、前提を揺らせるかどうかが差を生みます。
Weekly:第4回 情報システムに影響システムを合わせる極悪非道 //第1回から第3回で見えてきたのは、改革が失敗する根本原因は“システムの出来”ではなく、「設計すべきものを設計していない」ことだという点です。 情報システムの導入は、業務プロセスを変えるだけではありません。 権限や責任、判断のタイミング、可視化される範囲など、人と組織の振る舞いの仕組みそのものを変えます。 第4回では、この領域を「影響システム」と定義し、情報システムだけを設計して影響システムを放置することが、改革を歪ませる仕組みを整理します。 そして最も危険なパターン―情報システムの制約に合わせて影響システムを作り直す「システム都合の組織改変」について、なぜそれが“最低最悪・極悪非道”なのかを明確にします。改革における正しい設計順序を提示し、全編を束ねる最終回で
Weekly:第3回「次はAIを入れれば解決する」―技術が問題を増幅させる //業務改革やシステム導入が思うように進まないとき、次に現れるのが「次はAIを入れれば解決する」という技術への期待です。 しかし多くの場合、問題の原因は技術不足ではありません。 誰が決めるのか、判断基準は何か、例外は誰が引き取るのか、失敗時の責任は誰が負うのか―こうした“決めるべきもの”が曖昧なまま放置されていることが、改革を止めています。 この状態でAIや高度な仕組みを導入すると、現場の調整で吸収されていた曖昧さが許されなくなり、問題はむしろ加速・増幅します。 第3回では、AIが「解決」ではなく「露呈」を加速する理由を整理し、技術導入の前に整えるべき設計対象についてお話ししていきます。
Weekly:第2回:「現場の抵抗が強くて…」は本当か? //「現場の抵抗が強くて…」という言葉。便利な説明である一方で、それは本当に原因なのでしょうか。 現場にとって改革は、作業が増え、判断が厳密になり、失敗は記録に残る一方で、評価制度は変わらない―そんな“割に合わない構造”として立ち上がることが少なくありません。 抵抗の正体は感情論ではなく、作業量と責任、権限と責任、評価指標と実態が噛み合わないことから生まれる合理的な反応です。 第2回では「協力してもらう」「丁寧に説明する」といった対策が効かない理由を整理し、現場を“抵抗勢力”にしないために設計すべきポイントを掘り下げます。
第5回(5/5):私はITコンサルではない―「入れる前の仕事」を再定義する //IT導入の失敗は、導入後に起きるのではありません。 導入前に「何を目的にするのか」「その業務構造で運用できるのか」「成功条件は何か」が整理されないまま進むことで、失敗はほぼ決まってしまいます。 それでも“入れる前の仕事”は成果として見えにくく、評価もされにくい。 入れなかったシステム、作らなかったアドオン、起きなかったトラブルは、報告書にも残らないからです。 第5回(最終回)では、「ITコンサル」という便利な言葉が覆い隠してきた決定的な違い―導入を前提に進める立場と、導入判断そのものを支える立場―をわかりやすくし、なぜ今の企業に「入れる前の仕事」が不可欠なのかを、お話しします。
第4回(4/5):なぜ組織から「中立な立場」は消えていくのか //大きなIT投資判断ほど、組織は「白か黒か」で扱いやすい形に単純化し、中立的な立場が維持されにくくなります。 中立は意思決定の速度を落とし、責任の所在を曖昧にし、時に「裏切り」と解釈されるためです。 その結果、業務構造の検証は省略され、「後で何とかする」が増え、導入後に問題が噴出します。 今回は、中立が消えるメカニズムと、組織が学習できなくなる構造についてお話しします。
第3回(3/5):なぜERP製品導入にブレーキをかける人は「敵」になってしまうのか //ERP導入は、検討段階を超えると「DX」「改革」「正しい経営判断」という物語になり、議論が止まりやすくなります。 本来は、導入ありきではなく、業務構造・カスタマイズ前提・導入後の調整コストといった成功条件を整理し、IT投資が投資として成立するかを意思決定の段階で見極める必要があり、場合によっては「今は導入しない」という結論も含めた経営判断が必要です