第5回(最終回):「経営構造設計会社」でありたい― 私たちの存在理由 //助言ではなく構造設計。 戦略ではなく戦略が動く仕組み。 DXではなく業務構造の再設計。 文化ではなく意思決定設計。 なぜ、ここまで「構造」にこだわるのか。 それは、企業の成長が偶然ではなく、設計の結果だからです。 ビジョンは大切です。 リーダーの覚悟も重要です。 企業文化も成否を分けます。 しかし、それらは構造と切り離して機能することはありません。 戦略があっても、業務が変わらなければ組織は動かない。 覚悟があっても、意思決定経路が曖昧なら前に進まない。 文化を掲げても、評価制度が逆方向なら定着しない。 企業は、構造通りにしか動きません。 これは厳しい現実ですが、同時に希望でもあります。 なぜなら、構造は設計できるからです。 多くのコンサルティングが「あるべき姿」を示す中で、 私たちは「その姿が機能する状態」を設計します。 部門の役割を再定義し、 業務プロセスを組み替え、 意思決定を明確化し、 情報とITを再配置する。 そこまで踏み込まなければ、企業は変わらないと考えています。 もし、 「戦略はあるが、会社が動かない」 「DXに取り組んでいるが、疲労感が残る」 「会議ばかり増えて、決断が遅い」 そう感じているなら、それは能力の問題ではありません。 構造の問題です。 そして構造は、設計できる。 それが、私たちの存在理由です。
第4回(4/5):経営の迷走はどこから生まれるのか― 問題は「意思決定設計」にある //会社が停滞するとき、よく聞く言葉があります。 「意思決定が遅い」「会議が多すぎる」「誰が決めるのか分からない」。 その原因は、リーダーの能力や社員の意識の問題なのでしょうか。 私たちは、そうではないと考えています。 本質は“意思決定の設計”にあります。 多くの中堅企業では、意思決定は慣習で運用されています。 どの会議で何を決めるのか。 誰が最終責任を持つのか。 どの情報を前提に判断するのか。 それが明確に設計されていないため、根回しが増え、会議は多層化し、責任は曖昧になります。 意思決定が遅いのではありません。経路が未設計なのです。 日本企業は暗黙知を強みにしてきました。 しかし、その構造を曖昧なままにしてDXやAIを導入しても、成果は出ません。 判断基準も責任範囲も形式知化されていない状態では、デジタルは機能しないからです。 まず設計。その上にデジタル。 順番を誤れば、DXは迷走します。 私たちは意思決定を文化ではなく構造として扱います。 階層、権限、会議体、情報フローを再設計する。 その結果、会議は減り、調整コストは下がり、判断は速くなる。 経営の迷走は能力不足ではありません。 構造不在の結果です。
第3回(3/5):なぜDXは失敗するのか―原因はITではなく、業務構造にある //DXがうまくいかない。 それは本当にITの問題なのでしょうか。 多くの企業が、ツールの選定やベンダーの能力、社員のITリテラシーに原因を求めます。 しかし、それらは本質ではありません。 DXが期待通りの成果を生まない最大の理由は、 業務構造が変わっていないことにあります。 DXの本質は、IT導入ではありません。 デジタルを前提に、業務のあり方そのものを再設計することです。 戦略が変われば、業務が変わる。 業務が変われば、役割と意思決定が変わる。 その結果として、ITの配置が決まる。 順番を間違えれば、DXは成果ではなく疲労感を残します。
第2回(2/5):私たちは“アドバイス業”ではありません― 戦略を「構造」に落とす仕事です //戦略を描くだけで、会社は本当に変わるのでしょうか。 多くのコンサルティングは、「何をやるべきか」を示します。 市場分析を行い、競争優位を整理し、中期計画やDX戦略を描く。 そこまでで役割を終えるケースも少なくありません。 戦略立案そのものは重要です。 しかし、戦略は紙の上では機能しません。 本当に問われるべきなのは、 「どのような構造に変えれば、その戦略は動くのか」です。 中堅企業の変革を止めているのは、戦略不足ではありません。 部門間のすり合わせ、曖昧な権限、属人的な判断といった、 財務諸表には現れない“調整コスト”です。 私たちは、方向性を示すのではなく、 その方向に組織が動く仕組みを設計する。 違いは、そこにあります。
第1回(1/5):なぜ経営コンサルは「違いが分からない」のか ― 問題は“提供価値の抽象度”にある //このテーマでブログを書こうと思ったきっかけは、 経営者の方から、何度も同じ問いをいただいていたからです。 「コンサル会社って、結局どこも同じに見えるのですが、何が違うのですか?」 その疑問はもっともだと思っています。 どの会社も、戦略立案、DX推進、変革支援と掲げている。 しかし違いが見えにくい。 こんな声もよく伺います。 「戦略はある。でも、現場が動かない。」 中期計画もある。DX方針も掲げている。 それでも組織が変わらない。 原因の多くは、“戦略が悪い”ことではありません。 戦略が業務構造に落ちていないことです。 部門の役割、意思決定の流れ、評価制度、ITの位置づけ。 そこが変わらない限り、戦略はスローガンのままです。 今回は、中堅企業の変革現場で私たち(タッチコア)が一向き合い続けてきた 「戦略を構造に落とす」というテーマについて、5回にわたり整理していきます。 私たちの存在意義をお伝えできると思います。
第5回(5/5):アイデア創出を再定義する ―人口構造問題と環境問題から鍛える“前提設計力” //4月期開講に向けて~ アイデア創出とは、思いつくことではありません。 それは「前提を設計する力」です。 本シリーズの最終回では、人口構造問題と環境問題を題材に、なぜ改善の延長線上に競争優位は生まれないのかを総括します。成長・労働・生産・所有といった“自明”を疑い、構造から構想を組み立てる。その訓練こそが、本講座の核心です。 15回を通じて、前提を可視化し、壊し、再設計する。 「他にもある」と言われない構想は、発想法ではなく、前提設計から生まれる。 思考の安全地帯を出たい人へ。講座でお待ちしています。
第4回(4/5):前提を守る人はなぜ反発するのか ―人口構造問題と環境問題が示す“思考の防衛本能” //4月期講座開講にむけて~ なぜ前提を疑うと、人は反発するのか。 人口構造問題で「成長を前提にしない」、環境問題で「生産しない設計」を示したとき。 議論は止まり、時に強い反発が生まれます。 それは論理の問題ではありません。 前提が、成功体験や専門性、そして“善”と結びついたアイデンティティだからです。 今回は、人口構造問題と環境問題を通して、 前提を守ろうとする“思考の防衛本能”を読み解きます。 怒りの先にしか、本当の構想は生まれない―その理由に迫ります。
第3回(3/5):改善の先に競争優位はない―人口構造問題と環境問題が示す“安全な思考”の限界 //4月期講座開講にむけて~ 改善は重要ですが、改善の延長線上に競争優位は生まれません。 なぜなら改善とは、既存の「前提」を守る行為だからです。 人口構造問題では“成長と労働”という前提、環境問題では“生産と所有”という前提が無意識に共有されています。その枠内での効率化や最適化は合理的で安全ですが、解は収束し、差は生まれません。 さらに前提は、成功体験や専門性、そして「善」と結びついています。だからこそ疑われると人は怒る。それは論理ではなく、防衛本能です。 競争優位は、安心の側ではなく、前提を壊した先にあります。