人材育成:第1回 経営学部の「情報コース」は誰のためのものか? ■近年、多くの大学で「経営学部 情報コース」が設置されています。しかし、その教育内容を見てみると、プログラミングやネットワーク、資格対策など、“ITベンダー就職”を前提とした構成が目立ちます。本来、経営学部が担うべき情報教育とは、「ITを作ること」ではなく、「ITを使って企業や業務をどう変えるか」を学ぶ場ではないでしょうか。今回は、現在の情報教育が抱える違和感の正体を掘り下げながら、経営学部に本当に必要な情報教育のあり方について考えていきます。
人材育成:第5回 企業が育てるべきは、ミスをしない打者ではないー凡打製造装置から、イノベーション人材を育てる研修へ //企業が育てるべきなのは、「ミスをしない社員」なのでしょうか。それとも「試合を変える一打を打てる人材」なのでしょうか。今回は、これまでの議論を踏まえ、凡打製造装置となりがちな研修から、イノベーション人材を育てる研修へと転換するための具体的な視点を提示します。全員を変革人材にする必要はありません。しかし、その芽を潰さないことが、企業の未来を左右します。
人材育成:第4回 35歳で失われるのは、若さではなく“違和感”であるー 会社の型に馴染みすぎた社員は、なぜ強く振れなくなるのか //35歳で失われるのは、若さではありません。「違和感」です。組織の中で経験を積むほど、本来持っていた問いや疑問は少しずつ消えていきます。それは成長ではなく、適応の結果かもしれません。今回は、なぜ人は強く振れなくなるのかを掘り下げながら、企業が無意識に進めてしまう「思考停止の育成」と、それを防ぐための教育のあり方を考えます。
人材育成:第3回 ロバストな社員を育てる会社に、ホームランバッターは生まれるかー壊れにくい仕組みをつくることと、壊れにくいだけの社員をつくることは違う //「ロバストな組織をつくる」という考え方は重要です。しかしそれが、「逸脱しない社員を育てること」と混同されてはいないでしょうか。壊れにくい仕組みをつくることと、壊れにくいだけの人材をつくることはまったく別の話です。今回は、ロバストという概念を手がかりに、企業が本当に目指すべき人材像と、変化を生み出す力の育て方について考えます。
人材育成:第2回 空振りしない社員はなぜ事業を変えられないのかー失敗しないことを教えすぎると、強く振る力が失われる //企業は「挑戦してほしい」と言いながら、実際には「失敗しない方法」を教えすぎてはいないでしょうか。丁寧な報告、無難な発言、波風を立てない振る舞い。これらは重要である一方で、「強く振る力」を奪ってしまう側面もあります。今回は、「空振りしない社員」がなぜ事業を変えられないのかを掘り下げ、企業が抱える教育の矛盾と、その乗り越え方について考察します。
人材育成: 第1回 新入社員研修は凡打製造装置なのかー社会人に育てることと、強く振れない社員にしてしまうことは違う //新入社員研修は、本当に若者を育てているのでしょうか。それとも、扱いやすい社員へと整える場になってはいないでしょうか。ビジネスマナーや報連相は確かに重要です。しかし、それだけを教え続けた結果、若者が本来持っていた「違和感」や「問い」が失われているとしたらどうでしょう。今回は、新入社員研修が知らず知らずのうちに「凡打製造装置」となってしまう構造を問い直し、企業が本当に育てるべき人材とは何かを考えます。
意思決定:第5回 DXに必要なのはAI案件ではなく、意思決定の仕組みである―社長が最後に決めるための会社をつくる //DXに必要なのはAI案件ではなく、「意思決定の仕組み」です。本シリーズの結論として、DXの本質は技術導入ではなく、何を変えるかを決めるプロセスにあると示します。AI案件が増えても、意思決定の質が上がらなければ会社は変わりません。現場の提案を整理し、経営課題と結びつけ、選択肢として提示する。この仕組みがあって初めて、社長は責任ある判断ができます。DXとは、経営の意思を現場に実装すること。そのための構造がなければ、AIは単なる流行で終わります。成熟した会社とは、AIを導入している会社ではなく、意思決定できる会社なのです。
意思決定:第4回 社長の前に、誰が整理するのかーCIO機能が果たすべき本当の役割 //長が最終判断を下す前に、「誰が論点を整理するのか」。本稿ではCIO機能の本質に迫ります。CIOとは単なるITの専門家ではなく、経営が判断できるように情報を整理する役割です。技術、業務、コスト、リスク、組織影響などを統合し、意思決定の材料として提示する。この機能がなければ、経営は印象や流行に左右されやすくなります。重要なのは、意思決定を代行することではなく、「決められる状態をつくること」。AI案件が増えるほど、この整理機能の価値は高まります。DXを進める鍵は、ツールではなく意思決定の質にあります。