Weekly:第3回「次はAIを入れれば解決する」―技術が問題を増幅させる //業務改革やシステム導入が思うように進まないとき、次に現れるのが「次はAIを入れれば解決する」という技術への期待です。 しかし多くの場合、問題の原因は技術不足ではありません。 誰が決めるのか、判断基準は何か、例外は誰が引き取るのか、失敗時の責任は誰が負うのか―こうした“決めるべきもの”が曖昧なまま放置されていることが、改革を止めています。 この状態でAIや高度な仕組みを導入すると、現場の調整で吸収されていた曖昧さが許されなくなり、問題はむしろ加速・増幅します。 第3回では、AIが「解決」ではなく「露呈」を加速する理由を整理し、技術導入の前に整えるべき設計対象についてお話ししていきます。
Weekly:第2回:「現場の抵抗が強くて…」は本当か? //「現場の抵抗が強くて…」という言葉。便利な説明である一方で、それは本当に原因なのでしょうか。 現場にとって改革は、作業が増え、判断が厳密になり、失敗は記録に残る一方で、評価制度は変わらない―そんな“割に合わない構造”として立ち上がることが少なくありません。 抵抗の正体は感情論ではなく、作業量と責任、権限と責任、評価指標と実態が噛み合わないことから生まれる合理的な反応です。 第2回では「協力してもらう」「丁寧に説明する」といった対策が効かない理由を整理し、現場を“抵抗勢力”にしないために設計すべきポイントを掘り下げます。
第5回(5/5):私はITコンサルではない―「入れる前の仕事」を再定義する //IT導入の失敗は、導入後に起きるのではありません。 導入前に「何を目的にするのか」「その業務構造で運用できるのか」「成功条件は何か」が整理されないまま進むことで、失敗はほぼ決まってしまいます。 それでも“入れる前の仕事”は成果として見えにくく、評価もされにくい。 入れなかったシステム、作らなかったアドオン、起きなかったトラブルは、報告書にも残らないからです。 第5回(最終回)では、「ITコンサル」という便利な言葉が覆い隠してきた決定的な違い―導入を前提に進める立場と、導入判断そのものを支える立場―をわかりやすくし、なぜ今の企業に「入れる前の仕事」が不可欠なのかを、お話しします。
第4回(4/5):なぜ組織から「中立な立場」は消えていくのか //大きなIT投資判断ほど、組織は「白か黒か」で扱いやすい形に単純化し、中立的な立場が維持されにくくなります。 中立は意思決定の速度を落とし、責任の所在を曖昧にし、時に「裏切り」と解釈されるためです。 その結果、業務構造の検証は省略され、「後で何とかする」が増え、導入後に問題が噴出します。 今回は、中立が消えるメカニズムと、組織が学習できなくなる構造についてお話しします。
第3回(3/5):なぜERP製品導入にブレーキをかける人は「敵」になってしまうのか //ERP導入は、検討段階を超えると「DX」「改革」「正しい経営判断」という物語になり、議論が止まりやすくなります。 本来は、導入ありきではなく、業務構造・カスタマイズ前提・導入後の調整コストといった成功条件を整理し、IT投資が投資として成立するかを意思決定の段階で見極める必要があり、場合によっては「今は導入しない」という結論も含めた経営判断が必要です
第2回(2/5):なぜお客さまの目には、まるっと「ITの人」に見えてしまうのか //多くの企業では、SAPコンサル・ITコンサル・DXコンサルがまとめて「ITに詳しい人」として扱われがちです。 しかし本来、業務設計・システム設計・意思決定支援は別の仕事です。 私は導入・開発を請け負わず、業務の整理と判断基準の明確化を通じて、「入れるべきかどうか」から支援します。 評価されにくい“入れる前の仕事”を構造として可視化し、失敗する投資を未然に止めるべく支援しています。
第1回(1/5):なぜ私は「ERP製品コンサルと同業だね」と言われて傷ついたのか //「導入するコンサル」と「導入を止めるコンサル」は、本当に同業でしょうか。 私はSAP等のERPを前提に設計・導入を進める立場ではなく、導入前に「入れるべきか」「今なのか」を構造で判断する意思決定支援を行っています。 業務の単純化、判断基準の明確化、過剰なカスタマイズの抑制によって、無理のない改革を成立させます。必要であれば「今はやめる」という結論も含め、経営判断を言語化します。
Weekly:第1回「ある一言が改革を失敗させる」 //「業務は変えていない。システムを入れただけ」―情報システム導入やDXの現場で、この言葉が出てくるプロジェクトほど、なぜか現場が回らなくなり、想定外の混乱に陥ります。 多くの現場では「業務=入力作業」「帳票作成」「ボタン操作」といった“作業の置き換え”で捉えがちですが、業務の本質は、意思決定と責任の流れにあります。 誰が、どのタイミングで、どの情報をもとに判断し、その結果に誰が責任を持つのか――ここにシステムは必ず介入し、導入した瞬間から現場の振る舞いを変えてしまいます。 第1回では、「変えていないつもり」で起きている変化を可視化し、改革が失敗へ向かう構造を解いていきます。