業務設計:第10回 日本企業に本当に必要なのは「構造化能力」である ― DX・AI時代に問われる“業務を設計する力” ■■全10回を通じて見えてきたのは、日本企業が抱える多くの課題の根底に「業務構造の未定義」が存在するという事実です。最終回では、DX、AI、データ活用、人材不足といった経営課題を貫くキーワードとして「構造化能力」を提唱します。これから求められるのは、システムを導入する力ではなく、企業活動そのものを設計する力です。変化の激しい時代において、企業が持つべき本当の競争力とは何か。連載の総括として、その本質についてお伝えします。
業務設計:第9回 AI時代に必要なのは「業務構造」である ― なぜAIは“暗黙知だらけの会社”を苦手とするのか ■■生成AIやAIエージェントへの期待が高まる一方で、思うような成果が出ない企業も増えています。その理由はAIの性能ではなく、AIが理解できる業務構造が存在しないことかもしれません。本稿では、日本企業に多く残る暗黙知や属人的運用がAI活用の壁になる理由を解説します。AIが理解するのは空気ではなく、状態・ルール・条件・データです。AI時代に求められる業務モデリングの重要性と、企業競争力を左右する「構造化能力」について考察します。
業務設計:第8回 なぜ“データドリブン経営”は失敗するのか― 分析以前に「業務構造」がデータ化されていない ■■BI、ダッシュボード、AI分析—。データ活用への投資が進む一方で、「結局何が分かったのか分からない」という企業も少なくありません。今回は、その原因がデータ不足ではなく、「業務構造がデータ化されていないこと」にあると指摘します。売上や契約データだけでは見えない調整コストや判断プロセス。真のデータドリブン経営に必要な「業務状態遷移データ」とは何か。分析可能な組織をつくるための業務モデリングの役割を解説します。
業務設計:第7回 システム構造は、業務構造によって決まる― なぜ業務モデリングされた企業では“変更”に強くなるのか ■■システムが複雑なのは技術の問題だと思われがちですが、本当にそうでしょうか。今回は、ある大手金融機関の改革事例を交えながら、システムの複雑化を招く根本原因が「業務構造の複雑化」にあることを解説します。例外運用や特殊ルールが増えれば、そのままシステムの条件分岐へ変換されます。DXやAI活用を成功させるために必要なのは、システム刷新より先に業務をシンプルにする勇気です。変更に強い企業が持つ共通構造について考察します。
第6回 業務モデリングとは「仕事の設計図」である― なぜ日本企業では“構造”が定義されないのか ■■DXの失敗要因として繰り返し登場してきた「業務構造の未定義」。では、その解決策となる業務モデリングとは何なのでしょうか。今回は、業務モデリングを単なる業務フロー作成ではなく、「仕事の設計図を描くこと」として解説します。誰が、何を、どの情報を使い、どのような判断を行うのか。その構造を定義することで、システム、データ、権限、KPIが整合性を持って設計できるようになります。変化に強い企業づくりの第一歩として、業務モデリングの本質に迫ります。
業務設計:第5回 「動くが誰も触(さわ)れないシステム」が完成する― なぜ日本企業のシステムは“複雑系”になるのか ■■「このシステムは下手に触らないでください」。そんな言葉を聞いたことはありませんか。今回は、日本企業で頻発する“動くが誰も触れないシステム”が生まれる構造的な原因を解説します。技術力不足ではなく、業務構造を定義しないままシステム化を進めた結果として発生する複雑化、属人化、ブラックボックス化。その背景を整理し、将来の変化に耐えられるシステムを実現するための業務モデリングの重要性を考察します。
業務設計:第4回 なぜ要件定義でシステムが壊れるのか― 「現場ヒアリング主義」が生み出す構造崩壊 ■■システム開発プロジェクトは、なぜ後半になるほど混乱するのでしょうか。今回は、その原因を「現場ヒアリング主義」に求めます。多くの企業では、現場作業の収集が要件定義になっています。しかし本来必要なのは業務構造の定義です。総合テスト段階で大量の例外対応や運用課題が噴出する背景を解説し、システム開発の成否を分ける「業務構造定義能力」の重要性について考察します。
業務設計:第3回 日本企業は「調整」を仕事にしてしまった ― なぜDXを進めるほど会議が増えるのか ■■会議、確認、問い合わせ、承認、根回し—。気がつけば一日の大半を社内調整に費やしていませんか。今回では、多くの日本企業で「調整」が業務そのものになっている現状を取り上げます。なぜDXを進めるほど会議が増えるのか。なぜデジタル化しても効率化が進まないのか。その原因を業務構造の未整備という視点から読み解き、企業が本来取り組むべき構造化の重要性についてお話しします。